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スペイン代表は世界最強なのか 

スペイン代表は世界最強なのか

現ヨーロッパ王者がかつての世界王者(1966年)と相対した親善試合は、大方の予想する通りの結果となった。この試合でスペインの攻撃陣は、ファビオ・カペッロ監督のチームを文字通り“粉砕”したと言っていいだろう。カペッロがイングランド代表監督に就任して以来、約1年に渡って守ってきたチームの無敗記録も、現在世界最強チームのひとつであるスペイン代表の前にあっさりと止められてしまった。

この事実は、我々に何を問いかけているのだろうか?――まずひとつは、昨年末にベルリンでイングランドに敗れたドイツ代表が、(ユーロ2008で決勝進出を果たしたとはいえ)現在は世界のトップランクにいるチームではないということだろう。そしてもうひとつは、昨夏にドイツを破ったスペインが、おそらく世界でもベストのチームであるということだ。

彼らはすでに、FIFAのランキングによって、世界ナンバーワンのポジションを与えられている。スペインは現在29試合無敗を続けているが、これは、アッズーリ(イタリア代表)をワールドカップ王者へと導いたマルチェロ・リッピ監督が持つ、31試合の無敗記録(世界タイ記録)にも迫る数字だ。だが注目すべきはその戦績だろう。リッピのチームに引き分けが13試合あるのに対し、スペインはわずかに3試合しかない。信じられるだろうか?29試合のうち、引き分けがたったの3試合なのである。

この事実、さらにユーロというビッグタイトルが証明しているように、現在のスペイン代表は、おそらくその歴史のなかでも初めてとなる“世界最高のチーム”と称される瞬間を謳歌している。

新生スペインで最も重要な役割を果たしていた人物のひとりと言えば、チームをユーロ2008の優勝に導いたルイス・アラゴネス監督だろう。だが、多くのスペイン人が彼の能力に疑いを持っていたことも事実だ。それこそ、代表チームがユーロの舞台へと旅立つまで、監督交代を望んでいたといっても過言ではない。ユーロでの偉業を達成するまでは、彼は決して人気のある監督ではなく、また成功を収めた監督でもなかったのだ。

事実、ユーロの予選における彼らの戦いぶりは、本大会での活躍を期待できるものではなかった。終わってみれば、彼らは大会優勝にふさわしいチームだったと言えるが、大会後にフェネルバフチェの監督に就任したアラゴネスが、ジーコ前監督が築き上げたチームの基盤を瞬く間に崩壊させてしまったことも無視できない事実だろう。その意味では、かつてレアル・マドリーというトップクラブで4シーズンに渡り指揮を執った経験を持つビセンテ・デル・ボスケの監督就任は、明るい材料と言えるはずだ。彼は、同クラブの歴史のなかでも最も成功を収めた監督のひとりであり、選手の管理やマスコミとの関係においても豊富な経験を持ち合わせている。

彼は就任後のすべての試合で勝利を収めている。だが、先日の対イングランド戦で明らかになったように、彼のチームが現在も弱点を抱えているのは事実だ。ブラジルが彼らのベストフォームを取り戻し、ディエゴ・マラドーナに率いられたアルゼンチンがメッシの活躍でフランスを粉砕した一方で、スペイン国民がヨーロッパチャンピオンに求めるものはひとつしかない。あと1年半後に迫ったワールドカップで、この“黄金世代”のチームが初優勝を手にすること――ただそれだけである。

セビージャの地で行われたイングランドとの親善試合で証明されたのは、スペインが常にゴールを奪うクオリティを持っている反面、チームの中盤が窮屈で手狭だということだ。確かに彼らはボールキープで上回っていたが、イングランドも同様にいくつものチャンスを作り出していたことは事実だろう。イングランド代表がフィジカルコンディションでスペインを下回っていたのは疑いようのないことであり、カペッロ監督が“実験的な”布陣で臨んでいたのも確かだ。デル・ボスケ監督のチームがより実践的な戦術で臨んでいたことを考えれば、この試合をスコア通りに受け止めることはできない。

中盤が抱える問題の理由のひとつに、彼らがいわゆる“ウィンガー”を置いていなかったことが挙げられる。確かに、ダイアモンド型の中盤を敷くことにより、両サイドバックに自由を与える戦術は世界のトレンドとなっている。この日のスペインは、ユーティリティ性に優れるアンドレス・イニエスタに自由を与えることで、中盤のダイナミズムを生み出そうとしていた。その意味では、左サイドを基点に多くのチャンスを演出していた彼のプレーは、称賛に値するものだったと言えるだろう。

ユーロ2008MVPのシャビは、この日も“偉大な指揮者”としてチームの中盤に君臨していた。一方で、ダビド・ビジャの先制点を演出するなど攻撃面では存在感を見せていたシャビ・アロンソは、イングランドの中盤に対してディフェンス面での能力不足を露呈している。だがより問題なのはマルコス・セナだろう。この試合の彼は、スペインの持ち味であるボールキープにおいても、わずかな貢献しかできていなかった。確かにユーロ2008での活躍は目覚しく、そのプロ精神にも尊敬すべきものがある彼だが、この試合においては先発で起用されるべき状態でなかったことは明白だ。

右サイドバックを務めたセルヒオ・ラモスは――時折彼がそうであるように――ひとりで2人分の仕事をやってのけた。逆サイドのホアン・カプデビラは、とりあえず自身のベストパフォーマンスを披露することに成功している。だが左サイドバックは、今後問題を抱えるポジションとなる可能性が高い。セビージャのアントニオ・プエルタが他界してしまったことによる打撃は、スペイン代表にとってあまりに大きかったと言わざるを得ない。

センターバックについて話をすれば、この日が代表デビューとなったジェラール・ピケ、そしてラウール・アルビオルの2人は、ともに質の高いパフォーマンスを披露したと言っていいだろう。彼らには、今ひとつ信用のおけないカルロス・マルチェナからポジションを奪い、カルレス・プジョールの横でプレーすることを切に願いたい。

フェルナンド・ジョレンテは、世界最高のストライカーであるダビド・ビジャ、ならびにフェルナンド・トーレスに代わるオプションとして、有効な存在であることを証明した。フォワード陣には、その他にも(アラゴネスとともにトルコに新境地を求めた)ダニエル・グイサや、売り出し中のボージャン・クルキッチの存在もある。さらには、スペイン代表のゴール記録を持つラウールという“切り札”も忘れてはならない。

中盤が抱える問題を考えた場合、マルコス・セナのポジションに右ウィンガーの選手を入れることで、チームのバランスは大幅に改善される可能性がある。たとえば、セビージャに所属するヘスス・ナバスは面白い存在と言えるだろう。さらには、彼のチームメイトであるディエゴ・カペルも(本来は左サイドの選手ながら)右サイドのオプションとなり得る選手だ。イングランドとの試合ではベンチスタートとなったダビド・シルバは、テクニックや能力ではイニエスタに及ばないものの、守備能力は上回る。あるいは、サンティ・カソルラこそすべてを解決できる存在のように思えるが、彼にプレー機会が与えられるのはいつも終了間際の5分間だけだ。おそらくデル・ボスケも彼を“答え”だとは考えていないのだろう。

また、セスク・ファブレガスの扱い方という難問もある。彼が世界で最も優れたミッドフィルダーのひとりであることに疑いはないが、シャビという絶対的な存在がいる限り、彼には我慢が必要なことも事実だ。たとえストライカーをひとり削ったとしても、彼のポジション確保は難しいだろう。少なくとも、シャビを差し置いて彼を起用する理由はない。

デル・ボスケはより強くなるべきだ。彼は確かにレアル・マドリーで存在感を示したが、継続してその力を証明することはできなかった。ワールドカップへの長い道のりの間には、厳しい判断を強いられる場面もあるだろう。スペイン代表が、あくまで“机上”の最強で終わってしまうのか、それとも“人々の記憶と歴史に残る”チームとなり得るのかは、彼の手腕にかかっている。

Sulmaan Ahmad

http://news.livedoor.com/article/detail/4017478/
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スペイン VS イングランド 親善試合

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